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CD « Bal(l)ade romantique » J.B.Gross avec Christophe Coin, Quatuor Mosaïques et Michael Dahmen CD « ロマンチックなバラード »ドイツロマン派のグロス作品集 チェロの巨匠クリストフ コワンとの世界初録音までのいきさつ

28 mars 2010

Bal(l)ade romantique Johann Benjamin Gross (1809 – 1848)

Quatuor Mosaïques
Michael Dahmen, baryton
Yoko Kaneko, pianoforte (pianoforte Gross, Wien, 19me )
Christophe Coin, violoncelle

Sonate op.7 pour violoncelle et piano
Ballade op.26 n°4 pour violoncelle et piano
Sérénade op.32 pour violoncelle et piano
Lieder op.35
3e Quatuor op.37

Disponible en ligne à cette adresse : Boutique laborie

Site de téléchargement /Down road site :

http://www.qobuz.com/album/johann-benjamin-gross-ballade-romantique/0810473010044

http://www.ebl-laborie.com/gross.pdf Full Booklet online / Livret complet en ligne / 無料解説 (英独仏)ダウンロードサイト

 

Copyright Yoko Kaneko 2010

Johann Benjamin Gross (injustement absent de tous les dictionnaires actuels) fait partie de la génération romantique de Leipzig aux côtés de Mendelssohn, Robert Schumann et sa femme Clara, ainsi que Ferdinand David (il a joué avec ces deux derniers).

S’imprégnant des thèmes rencontrés dans ses voyages qui le conduisent jusqu’en Russie, sa musique d’une créativité débordante se colore de la mélancolie lyrique slave

Johann Benjamin Gross (unfairly forgotten from current dictionaries) is to be considered as part of romantic movement in Leipzig as well as Mendelssohn, Robert Schumann and his wife Clara, Ferdinand David (he played with those two).

Inspired by the themes he met in his journeys leading him to Russia, he then created a music brimming with inventiveness, coloured with a lyrical Slav melancholy.

「ロマンチックなバラード」

グロス(1809-1848)作品集世界初録音

モザイク弦楽四重奏団

ミカエル ダーメン : バリトン

金子陽子:フォルテピアノ(ウイーン製19世紀のフォルテピアノ »グロス »)

クリストフ コワン : チェロ

チェロとピアノのためのソナタ 作品7、

チェロとピアノのためのバラード、作品26-4、

チェロとピアノのためのセレナード 作品32、

歌曲集 作品35、

弦楽4重奏曲第3番 作品37

「グロス作品集が誕生するまでのいきさつ」 by  金子陽子

ヨハン ベンヤミン グロスは メンデルスゾーンと同じ1809年生まれのドイツロマン派の作曲家です。チェリストでもあったので、多くのチェロの作品を残し、ドイツ各地の図書館に楽譜が保存されています。作曲家シューマンと結婚して7人の子供を育てつつ第一線で活躍していたピアニスト クララ シューマンと自らのチェロで自作を演奏し、シューマン自身からからも作曲家として高い評価を得ていたという記録が残っています。不条理にも音楽史から忘れ去られていましたが、最近になってドイツの音楽学者、作曲家の子孫達の尽力で埋もれていた楽譜が再発見されました。楽譜を手に入れたバロックチェロの巨匠で私のパリ音楽院の同僚でもあるクリストフ コワン氏が、生誕200年のグロスとメンデルスゾーンのデュオ作品をベルリンとリモージュで共演する企画をおそるおそる私にもちかけてきたのが2008年のこと。フランス音楽の発掘、録音は経験の多い私ですが、ドイツとのご縁は珍しいことで大変光栄に思いました。難しいチェロソナタなどを2人で時間をかけて練習し、2009年6月にリモージュで初めての公開演奏。初めて耳にしたグロスの作品に超満員の聴衆が大喝采を送ってくれました。ラジオ局から渡されたライヴ録音を一人帰りの列車の中で聴いた私は、ひたすら必死で演奏したグロス作品の情熱的な美しさと、文字通り世界のトップにたつ熱いチェロの音色、そしてピアノとチェロのデュオとしても理想の姿が実現できていたことに感動しました。やはり録音を聴いたコワン氏にその数日後にパリで再会、寡黙で超多忙なはずの氏の言葉は信念のこもったものでした「美しいグロスのチェロソナタをどうしても録音して残したい。。。夏休み明けに是非一緒に作品集をCDにしてしまおうよ!」。

氏がウイーンを基盤に率いるモザイクカルテット、ドイツ、ケルンからかけつけた若きバリトン ミカエル ダーメン氏の協力で、グロスの歌曲、弦楽カルテット、チエロとピアノのための、ソナタ、バラード、セレナードという、美しく、ユーモアもある、宝石箱のようなCDが出来上がりました。録音は2009年9月リモージュのラボリー城にて行われました。ドイツ語にも堪能で指揮者でもあるコワン氏は、若手バリトンのミカエル君の母国語ドイツ語の発音やピアノの細かい調律にまでも明確なアドバイスができる並外れた芸術監督ぶりでした。使用ピアノは作曲家と偶然同じ名前のGROSS というウイーンの製作者の楽器(歴史的な楽器なのでフォルテピアノと称されます)を使いました。ピアニストとして女性として今も私達の憧れの対象であり続けるクララシューマン、メンデルスゾーンと同じく若く夭折したグロスの2人が、見て、弾いた、当時の楽譜、楽器の音色を、21世紀に生きる私達の解釈と感性をもって心より再現したつもりです。私達演奏家の歓びは、ステージ上だけでなく、歴史を生き抜いた楽譜を通じてタイムマシーンに乗ったかのように作曲家と対話をする準備の日々にもあるのです。リモージュのラボリー財団が所有する19世紀のフォルテピアノは、パリから来てくださった岡安明子さんに連日文字通り献身的に調整と調律をしていただきました。

ベルリンでのコンサートの折にはドイツの遠方からグロスの子孫の一家が駆けつけてくれました。奇遇にも16歳のお嬢さんは音楽院でチェロを勉強中で、祖先の作品がここまで美しいものであることに感激の様子でした。彼らの尽力でグロス作品の楽譜がドイツのKammermusik Verlag社より改訂出版され、世界中の愛好家の皆様や音楽学校の図書館も譜面を手に入れられるようになりました。

ところで、ラボリーレーベルからのタイトルに書かれている Bal(l)ade に何故カッコがあるのかと申しますと、フランス語の Balade (散歩という意味) と、CDに収められている 美しくロマンチックなチェロとピアノの小品 Ballade をひっかけ、CDのタイトルを ロマンチックなバラード としたためです。

2010年9月 金子陽子

ラボリーレーベルのフランスでの販売元であるAbeillemusique のCD本体購入サイトはこちら

http://www.abeillemusique.com/CD/Classique/LC09/0810473010044/Laborie/Parenthese/Johann-Benjamin-Gross/Ballade-romantique/cleart-36318.html

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