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Pianofortes (et élèves) que j’ai rencontrés au CNSM / パリ音楽院のフォルテピアノと教授代行

1 mai 2012

Droits réservés

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パリ音楽院の博士課程(旧『第三課程』、新しく作られた『実技 & ソルボンヌ大学での研究』の課程)で昨年より研究をしているヴァイオリンのセシル・キュビックさんの指導をクリストフ・コワン氏と担当しています。ペリオド楽器でフランス19世紀のヴァイオリンとピアノフォルテの作品の発掘、研究と演奏が研究課題。パリ音楽院の博士課程の学生にメイヤー財団の援助により毎年実現されるCD録音(音楽院のためのもので非売品)では私がピアノフォルテを担当しました。

プログラムはバイヨー、アラール(共に当時パリで活躍してパリ音楽院教授だった名ヴァイオリニスト)とアルカンの超難曲のデュオ。録音に先立っての4月1日の楽器博物館でのコンサートでは博物館所蔵のブロードマン、エラールを演奏させていただき、録音では、パリ音楽院蔵のグラーフとエラールの2台を使用しました。

いつも思うことですが、素晴らしい楽器は私達演奏家に表現の可能性、作曲家が探していた真実を教示してくれるのです。演奏家、楽譜、楽器、そして録音技師(パリ音楽院に20年以上勤務しているベテランのジャン・ゴチエ氏)と音楽監督(録音技師養成クラスの学生フロラン・オリヴィエ君)の努力が結集した白熱した5日間でした。CDの完成が楽しみです。

録音終了と同時に、パリ音楽院から、脚を怪我したフォルテピアノ科の教授の代講を依頼され、しばらくの間生徒達の指導もしています。パリ音楽院やトウールーズ音楽院からは数年以来フォルテピアノ科の卒業試験の審査員としてしばしば招かれていましたが、レッスンは初めてで、私にとってもとても興味深いです。生徒はフランス、台湾、中国、韓国のそれぞれモダンピアノの高いレヴェルの学生ばかりで、特に台湾、中国、韓国の3人は、将来母国でフォルテピアノの初めての本格的な世代として活躍するのでは、という気がします。(30年前に桐朋がフォルテピアノを購入したことを考えると、30−40年遅れているのだろうと思うのです。)

パリ音楽院にジョス・ファン・インマゼール氏のフォルテピアノクラスが開講されてから20年、(氏は多忙のため95年にパリ音楽院を去り後継者が就任)当時パリ音楽院が入手した楽器はクラーク製のレンゲラーモデル(5オクターヴの素晴らしい楽器)一台。これを生徒達が争うようにそれは大切に弾きつつ『鍵盤が超軽い楽器に必要な繊細なテクニック』を一生懸命マスターしたことを思い出します。今ではマクナルティのワルターモデル、マーネ製のグラーフモデル、エラール2台、プレイエルと、音楽院のコレクションも豊になり羨ましい次第です。

来年はストラヴィンスキーの春の祭典の指揮まで手がけるという凄い活動を展開し続ける恩師インマゼールとは2013年の今頃、フランス、ベルギー、ポーランドで再びモーツアルトの2台フォルテピアノのためのコンチェルトを共演予定で、再会を心より楽しみにしています。

2012年5月1日 金子陽子

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